サイトマップ

若葉折々(校長通信)

本校ホームページをご覧いただき、ありがとうございます。
今年度も、適宜、校長通信を発信してゆきますので、ご覧いただければ幸いです。
 
○4月6日(金)
 1学期始業式において次のようなお話をしました。
 
 本日は平成30年度の始業式です。始業式に当たり、皆さんに決意を新たに充実した学校生活をおくってもらうために、今日は「目標を達成するために必要なこと」についてお話ししたいと思います。
 
 さて、皆さんは先日まで行われていた、ピョンチャン・オリンピック・パラリンピックで一番、印象に残っているシーンは何ですか?女子のスピードスケートやカーリング等、日本人選手の活躍は目を見張るものがありました。その中でも、多くの人がナンバーワンにあげるのは、男子フィギュアスケートで金メダルを獲得した羽生結弦選手ではないでしょうか。

 羽生選手が金メダルをかけてフリーの演技を行っていた時、私は前任校の2年生の生徒と一緒に修学旅行先の沖縄、那覇空港のロビーで帰りの飛行機を待っていました。大型のテレビに映る羽生選手の演技をロビーにいた大勢の人々が固唾をのんで見守っていました。演技が終わり、羽生選手が金メダルを確信させる笑顔を浮かべた瞬間、ロビーにいる多くの人たちから拍手と歓声が上がりました。隣に座る見ず知らずの人と同じ喜びと感動を味わっているのが実感できました。そして、こんなにも多くの人々に感動を与える彼の演技はもちろん、その生き方について、改めて考えてみたいと思いました。
 
 修学旅行から帰ってきて、一冊の興味深い本に出会いました。テレビにもよく出ている脳科学者、茂木健一郎さんの『やり抜く脳の鍛え方』という本です。この本は、アメリカの心理学者アンジェラ・リー・ダックワースの「やり抜く力=グリット」という考え方に基づき書かれたものです。ダックワース氏によると、様々な分野で成功している人達に共通するのは、才能のある、なしではなく、物事を最後までやり抜く力であり、これを彼女は「グリット」と呼びました。今、アメリカで非常に注目されている考え方です。この力を伸ばす具体的な方法として、茂木先生は「やり抜く脳」の鍛え方を紹介しています。
やり抜く力の乏しい人、これがよく言う「三日坊主」になる人です。茂木先生は「三日坊主」に陥りやすい人の共通点として、次の3点をあげています。
  1.  ゴール設定がなされていない
  2.  今やるべきことが明確でない
  3.  具体的な報酬が容易されていない

 裏を返すと、この3つの点をしっかりと行えば、物事をやり抜く力が育ち、成功者になれるということです。ちなみに、3点目の報酬については、「この宿題をやったらチョコを1個食べよう」というような小さなもので良いそうです。些細な報酬でも、脳は十分に活性化し、ドーパミンという幸せや喜びを感じる脳内物質を出すそうです。
 
 羽生選手の話に戻ります。彼が私たちに、あれほどの感動を与えたのは、オリンピックの金メダルを2大会連続で取ったから、だけではないと思います。オリンピック直前にケガをして、その後の大会を欠場し、出場すら危ぶまれたオリンピック本番で、最高のパフォーマンスを見せ、見事に復活したからだと思います。まさに、不死鳥のごとく。

 羽生選手は何故、復活し金メダルをとることができたのか?茂木先生があげた、さきほどの3点にあてはめて考えてみたいと思います。羽生選手にとってのゴールは、もちろんオリンピックで金メダルを取ることだったと思います。1点目のゴール設定は大変、分かりやすいと思います。
 2点目の「今やることの明確化」はどうでしょうか。オリンピック、ショートプログラムの前日のインタビューで羽生選手は次のように言っています。
 「とにかく、やるべきことはやってきました。2か月間滑れなかった間も、とにかく努力をし続けました。その努力をしっかり、結果として出したい」滑れない時の努力とは、どのようなものだったのでしょうか。大会後の彼の話によると、陸上でジャンプのフォームを固めたり、心理学やメンタリティに関する本を読み、メンタルトレーニングを行っていたそうです。そして、大会の日程に合わせて、より難易度の高いジャンプの練習を段階を追って行っていったそうです。今やれることをしっかりと理解し、やるべきことを実践してきたことが窺えます。
 では、3点目の、羽生選手にとっての報酬とは何だったのでしょうか。もちろん、金メダルでしょう。でも、それだけではないように感じます。彼は東日本大震災で自ら被災しながらも、被災した多くの人たちを応援するためにスケートを続けてきました。彼がオリンピックで金メダルを取ることを多くの日本人が期待していました。彼にとっての報酬とは、その期待に応え、自分を応援してくれた多くの人たちの喜ぶ姿を見ること、人々を幸せにすることだったのではないでしょうか。
 
 さて、3年生は、いよいよ自らの進路実現に挑む年になりました。そして、2年生は、これからの自分の進むべき道をしっかりと定めていく一年になります。皆さんが自らの未来を切り開くためにも、羽生選手のように逆境にも負けない、やり抜く力を身につけることが大切です。そのためには、具体的な目標を立て、それに近づくために、今やるべきことを明確にすることが大切です。大きな目標を達成するために、今やるべき小さな目標を一つずつ達成していきましょう。そして、目標が達成されるごとに自分へのごほうびも忘れずに用意してください。先生方も是非、生徒の小さな一歩を褒めてあげてください。それが何よりの報酬になると思います。

 それでは、早速、今日、この日から、今やるべきことをやり始めましょう。
 
〒206-0822 東京都稲城市坂浜1434-3
電話 : 042-350-0300 ファクシミリ : 042-350-0303
E-mail : ml-info-wakabasougou@section.metro.tokyo.jp
アクセス